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男性差別?!「うちの子を着替えさせないで」に見る悲しい現場の真実

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こちらの記事を読みました。

男性保育士に「うちの子を着替えさせないで」。保育園の様々な問題を、現場に行って色々見てきた

千葉市長 熊谷俊人さんのツイートが発端となったのですが、「男性保育士には女児の着替えを見て欲しくない」というような差別ともとれるような保護者の要求に世間が注目しましたね。女性なら社会問題になる事案ですとの彼の主張にツイッターおよびネットでは賛否両論飛び交いました。

冒頭の記事を書いた方はこの問題に言及しようとされたそうなのですが、ご自分が「保育士のことについて何も知らない」と思い直して、実際に保育現場や千葉市役所まで足を運んで取材を行われたのです。

詳しくは実際に記事を見て頂ければ分かるのですが、保育園でお昼頃から、夕方頃まで子どもの相手をされながら、保育士の仕事を丁寧に取材されていました。件の男性保育士問題についても保育士に意見を聞き、現場の声を届けてくださいました。記事の内容は本当に素晴らしく、この問題についてどれほどの時間をかけてくださったことかと頭が下がります。私は一保育士としてこの取材記事にとても感謝しています。

さて、この記事の中での男性保育士についての質問ですが、私も答えたくなってしまったので引用させていただきたいと思います。

働いている中で、男性保育士がいて良かったことってあったりしますでしょうか?

沢山あります。記事の中でも女性保育士さんが答えているように、男性保育士のパワーは女性保育士では太刀打ちできません。子どもと遊ぶ時も、軽々と抱きかかえる姿を見て、羨ましい限りです。

また、保育園には力仕事も多いので男性がいると大変助かります。特に運動会の準備なんかは大がかりなので男性が居ないとかなりハードです。

それに、私の個人的な意見ですが、女性の職場に男性がいると皆さん少なからず和やかな雰囲気になっているのではと、勘ぐったりしています(笑)いえ、結構本気でそう思います。職場の雰囲気づくりに陰ながら一役も二役も買っていると私は思っています。

”男性保育士に“うちの子を着替えさせないで”という論争について、女性保育士としてのご意見をお聞きしても良いでしょうか

保育士としては、悲しいです。女性保育士と志を同じくして、毎日一生懸命働いている男性保育士の姿を私も間近で見てきています。男性だということだけで保護者に信用してもらえないことは、本当に情けないし、辛いことだと思います。

ただ、女性としては、こうした親心分からなくもないのです。性被害に遭うのは女性が多いですよね。男性に警戒したくなる気持ちも分かります。

幾つかネットで意見を見ていく中で、医者を引き合いに出す方も多かったのですが、確かに同じように衣服を脱いで素肌を晒す病院で、男性小児科医は嫌だから女医さんを出してくださいって言う話って聞いたことありません。でもそこには、必ず保護者が一緒に居ると思うのです。保育園ではそうではない。だから、皆さんが不安に思うのではないでしょうか。

極端なことを言えば、少女偏愛症(定義は曖昧ですが、一般的に言ういわゆるロリコンですね)の男性保育士が居ないとも限らない。

そのあたりの危機感というのは、性被害に遭いやすい「女性」である「母親」が持ちやすいという本質から、相手が「男性」の保育士に向けられるわけです。女性にとってそれだけ男性からの性被害が身近なもので、現実的であるのです。
可能性としては同じようにあるはずの、少年偏愛症(という言葉を使うのかは分かりませんが…)の「女性」保育士が居るかもしれないという危機感にはつながりにくいでしょう。

同時に、性的弱者ではない「男性」には、我が子が「女性」から性的被害を受けるというような発想はそもそもなく、またおそらく同じ男性が故に、自分とは全く異質の「少女偏愛症の男性」保育士の存在を意識するということ自体が、むしろ現実的なことではないのかもしれません。

「男性保育士」だけが警戒されてしまい、またその声をあげている人の多くが女性だということは、こういった理由からではないでしょうか。結果、男性差別のように聞こえてしまいますがその実は、ただ男性差別をしたいわけではなく、単に「男性」に対して「女性」として警戒心を持っているということの表れなのではないでしょうか。

この保護者の不安を拭うためには、保育園の中でどのように保育が行われているのかということを、もっと広く皆さんに知って頂くことが必要だと思います。保護者は「見えないから不安」なのです。見えないものを信用しろと言われても、不安な気持ちになるのは当然のことです。

多くの保育園では、性別にかかわらず子どもと二人きりでトイレの個室に入ることは、特別な事情がない限りそこまで多くはありませんし、トイレの個室は扉があったとしても子どもの背丈より少し高いくらいで、完全な密室になることはありません。着替えなども同じで、複数の子どもたちと同じ部屋で行われるはずです。また、年齢が低ければ保育士の数が増えますので保育士と子どもが二人きりになる可能性は低くなりますし、主に幼児などの、保育士が一人で担任を持つような年齢では、保育士が一人の子どものためだけにトイレにかかりきりになれるはずがありません。

とは言っても、可能性をゼロにすることは不可能です。
その点においては、保護者の方にもご協力いただく他にありません。

本当であれば、「着替えやトイレは同性の保育士が担当する」という解決策がありますが、今のこの現状ではかなり難しい。というか、無理でしょう。それを実現するには男性保育士があと10倍(もっとかな…)は必要です。そもそも保育士の数は足りません。一人ひとりが一人で見れるギリギリの人数の子どもを見ています。

「何か起こってからでは遅い」そういう気持ちも分かります。ですが、少なくともその男性保育士の人となりを少し分かってからでも遅くはないと思うのです。

保育士の人員配置もとても厳しい問題です。しかしようやく今では、時代がこのように保育園や保育士に注目してくださるようになりました。
少しずつで良いので、保育園というところがどういう所で、どのような環境で保育が行われているのかということをできるだけ多くの皆さんに知って頂くことが、こういった子どもをとりまく環境についての諸問題を解決していく糸口になると考えます。環境が改善されるその時までは、こういった諸問題に保護者の方にもお付き合いいただく他ありません。申し訳ない気持ちでいっぱいですが、ご協力お願いいたします。

 

この問題に関するみなさんのご意見もお待ちしております。

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