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現役保育士が真剣に語る!保育士の待遇についての疑問点

投稿日:2017年3月28日 更新日:

先ほどこの記事をみました。

保育士の待遇改善について、労組が国に保育士配置基準の見直しと、労基署による実態調査を求めたという記事。

保育士になって9年目の女性(29歳)は、3つの保育園で働いたことがあるが「残業代はもらったことがない」と話す。

あぁ、ようやくこういうことがニュースで取り扱われる時代になったのだなぁと嬉しささえ覚えました。
私も正規職員として5つの園を経験していますが、いずれでも「残業代」は頂いたことがありません。たまたま、この保育士がこういう扱いを受けるような酷い保育園に就職してしまっただけ、ということではありません。保育園というところで働くということは、非常に多くの場合、残業代を頂けないということなのです。

残業代を支払ってほしいと請求しても、「やり方次第でできるだろう」などと、相手にされなかったという。

この保育士さん、偉いですよ。勇気があります。私は言えませんでした。だって、先輩もみんなもらっていません。それが当たり前の世界です。その中で声をあげたことが素晴らしい。普通のことを普通に主張して何が悪いんだ。そういう感覚、私は至極まっとうだと思います。

さてこの、「やり方次第でできるだろう」や「あなたの力量が足りない」ということは、残念ながらよく言われます。個人に責任を問うわけです。ここで私から皆さんにお聞きしたいのですが、一般企業など保育園以外の会社などでは、新人さんに力量がなく仕事が定時までに終わりそうにない場合、残業代を頂くことなく、自分の責任で会社に残って仕事を終わらせるものなのでしょうか?

恥ずかしながら、私をはじめ多くの保育士は、保育士以外の仕事のことを知りません。特殊な世界に身を置いていることは分かっているものの、一般社会の常識というものに非常に鈍感なのです。ですから、この点においては保育士の待遇が改善されないことに一役買ってしまっているんだろうなと、情けなさを感じます。こういうところに保育士自身も一人ひとりが責任を感じないといけません。

勤務時間内は基本的にずっと、子どもの相手をしていなくてはならない。書類仕事をこなすためには、子どもから目を離すわけにはいかない。そのため、サービス残業や仕事の持ち帰りを余儀なくされているのだという。

このことも、特別なことではありません。保育士が100人いれば99人は同じ経験をしているはずです。

別の記事で詳しく触れますが、保育士の勤務時間は一般と同じ8時間労働です。
大抵担任保育士であれば、8時半頃から17時半頃までのシフトであることが多いでしょう(場所によってさまざまですが、基本の日勤はだいたいこの時間帯でしょう)
一方クラスが運営される時間(保育時間)は8時半頃から16時頃まで。それ以後の時間は延長保育として、事情のある(多くはお勤め)ご家庭の子どものみをお預かりします。延長保育時間は大抵担当のパートタイマーさんや、延長保育の当番シフトの保育士で子どもを見ますので、日勤の保育士は16時でやっと子どもから離れることになります。

さて、定時まで1時間半です。一時間半もあれば色々できますよね、と思うのですが、実はそうもいかないのです。

クラスの仕事が終わると、職場によっては「反省会」というものが開かれたりします。職員室にみんなで集まって、今日の保育はどうだったか、共有しておいた方が良い情報はあるか、など話し合うわけです。それがテンポが良くてだいたい10分から15分。園長先生がお話するのが好きだったりすると30分、1時間と長くなる場合もあります。今回は仮に20分かかった、ということにしましょう。

残り時間は1時間10分です。
さあ、まずは明日の保育の準備です。分かり易いところで、明日の活動は発表会のお面を作ることにします。お面の材料を教材庫から運んできて、切ったり書いたり貼ったりして人数分の準備を整えます。とても少なく見積もって1時間10分で準備完了しました。

これで勤務時間はおしまいです。

書類はいつやるのでしょうか。もっと言えば、どんなお面を作るのかということは、いつ考えたのでしょうか。

書類と一言で言っても色々な種類があります。これは保育園によって差があるとは思いますが、だいたい一か月に

●週案4週分(一週間の保育計画)
●月案(月の保育計画)
●月案の反省(一か月の保育の反省点を書き出したもの)
●クラスだより(保護者向けのお便り)

最低でもこれだけは書くことになると思います。しかもこれが、いまだに手書きでなければならない保育園もあるのです…(古きを良しとするのも限度があります)もちろん、年齢や時期によってはこれにプラスで

●個人記録(子ども一人ひとりについての詳しい記録)

などを書かなければならないこともあります。(例えば年少さんですと20人前後分でしょうか。もちろんもっと多いところもあります)

これができないのは個人の責任なのでしょうか?力量不足だからでしょうか?

問題はサービス残業だけではない。2016年4月から、埼玉県川口市の認可保育園で働いている、経験8年目の保育士女性(32)は「休憩もろくに取れない」と話す。

そうです。休憩は、こどもがお昼寝をしている間。ということになっている園も多くあります。また、給食を食べている時間が休憩だと言い張る園もありました。子どもが給食を食べたり、寝ていたりするのを、保育士は見ていなくて良いということなのでしょうか。その時間に保育士が保育室を離れて良いということなのでしょうか。

「子どもが寝ている間に休憩することになっています。でも実際は、寝ている子どもが息をしているか、定期的に確かめる『ブレスチェック』があるので、休めないんです」

その通りです。だから保育士は子どもが寝ている間、ブレスチェックをする傍らで、普段できない書類仕事を必死でこなしているのです。子どもの様子をしっかりと把握しながら。

保育士が職場に定着せず、次々と離職している理由は火を見るよりも明らかです。

それでも私たち保育士が辞めない理由は「子どもが好きだから」「やりがいを感じるから」です。
保育士個人の「やりがい」に頼らざるを得ない日本の保育。
あなたはどう感じますか?

 

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  1. […] 保育士の待遇について – 育児や保育の情報なら、ほいくでどすこい […]

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